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2015.07.10 久須美酒造 初呑切り 其の壱

酒蔵の大切な儀式の中に「呑切り(のみきり)」という儀式があります。

呑みきりとは、「呑み」(貯蔵タンクの側面下についている清酒の取り出し口)を「きる」(開栓する)して、貯蔵酒の香、味、色を官能検査(きき酒)等によって分析し、火落ち等の早期発見、蔵内全般の酒質の把握、
個々の酒質、熟度に応じて調合、出荷時期を決める等の目的で行なわれます。
 
品質管理のために行なう重要な蔵内行事で、一昔前までは有力な卸問屋が訪れ、気に入った酒のタンクを丸々買い上げる商談の場でもありました。

その大切な行事に昨年に引き続き計3回目となる「初呑切り」の招待状が届き、本日行ってまいりました。空梅雨の夏の青空が広がる盛夏の中、全国より精鋭が集まりました。(県内からは私を含めて僅か5人)いつもながらここに私が居ていいのかという緊張感が走ります。

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久須美酒造の若き当主、七代目久須美賢和社長の堅苦しさを取り除く為の粋な計らいで、蔵人が休憩する“広敷(ひろしき)”にて胡坐座で和気藹々麦茶を飲みながら雑談をして気持ちをほぐし(実はその間、酒類鑑定官が酒質のチェックをしています)その後、いざ我々も計28本のタンクから抽出した原酒をチェック!どれも久須美酒造の源である地下水から湧き上る名水の綺麗な雑味のない酒でした。酒を含んだ後、吐き出す入れ物“ハキ”も松の枝で中が見えないような心配りがまた憎い。鑑定官より今期の米は溶けやすいので難しい年だったようですが、浸漬管理も良く突きハゼ麹という元気な麹を作りどれも問題なしのお墨付きをいただき今年もいい酒ができた杜氏も社長もニンマリ。

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もう一つテーブルには市販酒が並べてありましたが、やはり気になるのは「亀の翁・尾」シリーズ。私なんぞが表現するのはおこがましいですが、様々な味わいが交差する馥郁たる味わい、深くて神秘的な余韻はいつもながら感嘆させられます。

途中より、六代目久須美記廸会長も加わり久しぶりにお顔を拝見。ある件がきっかけで、近江商人の三方良しを直接私だけに講和いただいたのは忘れません。そういえば、今でも語り草で七代目からからかわれる、かれこれ7年前の冬、久須美酒造を襲った水害から救出した「亀の翁20年貯蔵」を飲む会に呼ばれた時、まさかの当時社長(現会長)の高級ブランドブーツを履いて帰途についたことが思い出されます。極上の酒を嗜みいい気分で会場を後にしたわけですが、その後電車に揺られていた時に、当時の担当セールスからの携帯で、ブーツ間違えているよとの言われた時は、まさに酔いが吹き飛ぶって事が本当にあるんだと思い知らされました。それから裸足で帰る訳に行かず、帰宅までの1歩1歩が重かったのが思い出されます。

そんなことを、思い出しながら初呑切りは、おごそかに終了しました。 次につづく・・・

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