至福の迷宮

2024年3月某日某所にて、ワインコレクターの某氏が終活を考えワインの断捨離を決意。その手始めに「ワインというよりも神話の象徴」と「世界最高のメルロ」、ワイン・アドヴォケイトで100点を連発、他の追随を許さないクオリティに生産量の少なさが輪を掛けて、5大シャトーよりも高値で取引される言わずとしれた世界屈指のグランヴァンと謳われるCh.ペトリュス2000年ヴィンテージを開栓する場に立ち会う事ができました。

まずは、1999年のシャンパーニュで胃袋を刺激、次はデキャンタージュされたワインを出され、一同あーでもこーでもと感想を述べあい、某氏は素知らぬ顔。素性が分からぬまま次にデキャンタージュされたワインは、Ch.トロタノワ2000、ペトリュスと同じボルドーポムロール地区の代表シャトーここでメンバーが全員揃い改めて乾杯。そこで、最初にデキャンタージュされたワインの種明かしが、それは何と!何と!何と!。 DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)モノポール、ラ・ターシュ1999。一同驚愕、ググったらなんと時価110万と出て、さらなる驚きと興奮で言葉を失う、そんな様子を愉しむかのように某氏はあっさりとデキャンタージュされた今日の目玉のCh.ペトリュスをサラッと出す。時価88万のワインを目の前に目がくらみ溜息が漏れる。その後も某氏のコレクション開栓は止まらず。DRCの共同経営者が造った2004ヴィンテージの白ワイン、「ロワールのモンラッシェ」と例えられる白ワインの名手が造る2007ロワールワイン、スペインワインの至宝「スペインのラトゥール」と称されるウニコ1985ヴィンテージはチャールズ皇太子とダイアナ妃との披露宴で振舞いたいとオーダーがあったが数量が希少ということで断ったという逸話のワイン、イタリアワイン界の頂点とも言える至極の1本の1999ヴィンテージ、後で知るが最初のシャンパーニュも時価15万と時価推定総額250万超のヴィンテージワインの至福の迷宮を彷徨いました。さらに、セラーにあるコレクションを超~超~超~安価でゲット!楽しみができました。

今年は元旦の能登半島地震から始まり、良い事がなく気持ちは沈みがちだったが、夢のような空間に立ち合わせていただき何か勇気を貰ったような気がする、これから先こんな凄い場面に出くわすことはもうないだろう。